その昔、テレマーケティングが主流であった時代がありました。当時は、リードや顧客ひとりひとりに電話をかけ、マーケティングメールを送信し、顧客の元へと車を走らせるのが当たり前でした。現在、ビジネスはその規模を問わず、CRMソフトウェアを使ってこれらの作業を行うことができるようになりました。
ビジネスのニーズを満たし、成功へと導く為に必要なのは、綿密に計画されたマーケティングプランと、勤勉なチーム/部門、そして優秀なCRMです。この記事では、2023年に人気を集めた無料のCRMソフトウェア8選をご紹介いたします。
CRMはCustomer Relationship Managementの略で、顧客関係管理を意味します。CRMは当初、マーケティングとサービスの質を向上して売上を伸ばすことを目的としてデザインされました。CRMには、顧客とのやりとりから収集したデータをもとにサービスや顧客体験を改善することで、顧客を惹きつけ顧客満足度を向上させる効果も期待できます。そして近年、CRMの機能はさらに飛躍的な進歩を遂げています。
今日、CRMソフトウェアはチームメンバー間の関係も管理できるようになっています。さらに、パートナー、 サプライヤー、クライアント等のコラボレーターとの関係も扱うことができます。つまり、今日のCRMは働く人にとってマストハブなアイテムといっても過言ではありません。それでは、自分にぴったりなCRMを見つけるにはどうすればよいでしょうか?
市場には星の数ほどのCRMソフトウェアがひしめき合っています。どれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。そんなときには、チームメンバーでブレインストーミングを行い、自分たちに必要な機能のリストを洗い出しましょう。たとえば・・・
● スマホでも使える
● チームでコミュニケーションができる
● 素早く簡単に、シンプルにセットアップできる
● 連絡先を同期できる(手動で入力する手間が省ける)
● カスタムレポート機能
● 連携、統合機能
● 販売プロセス機能
● サポート機能
● チームで使える
セールスファネルを自動化してリードを生成し、顧客サービスを向上させるのに十分な柔軟性と強力性を備えたシンプルなCRMです。
最後に、おそらく最も重要なポイントとなるのが、無料で使えるかどうかです。どんなに優秀な製品であっても、予算オーバーであれば意味がありません。小規模ビジネスやスタートアップは特に、コストが削減できるに越したことはありませんよね。
無料ツールの中には、有料ツールに引けをとらない優秀な製品も多く存在します。それでは前置きはここまでにして、2021年に人気を集めた無料CRMソフトウェア8選を実際に見てまいりましょう。
HubSpotは、今日のCRM市場において最も影響力のあるサプライヤーのひとつです。HubSpotの魅力は、豊富な機能をユーザー無制限で使えることです。HubSpotを使うと、販売プロセスの管理、リードの割り当てと追跡、ワークフローの管理を通して、プロジェクト管理を改善して顧客とのやりとりを記録することができます。これらすべてを一か所に保管して、アクセスすることができます。Eメールマーケティングの他、MS OfficeやG Suiteとも連携できます。
ただし、HubSpotのCRMはカスタマイゼーションに制限があります。小規模ビジネスにとっては、これは少々難点となるかもしれません。
世界各地で百万以上のユーザーを誇るSalesforceは、この記事でご紹介するCRMの中で最も人気の高い製品です。Salesforceはクラウド型のCRMであり、ユーザーは可視的なワークフローを作成したり、連絡先管理や販売パフォーマンス管理を行うことができます。Mac、linux、Android、Windowsユーザーにとって、Salesforceはベストな選択でしょう。さらに、マスメーリングやサードパーティーアプリとの統合機能もあります。
ただし、Salesforceはオンプレミス型での実装はできません。また、ライブチャット型のサポートサービスもありませんので、日中にシステムに何らかの不具合が生じた際には、サポートチームからのレスポンスを長時間待つことになる可能性があります。
Zohoは、小規模ビジネスやスタートアップの力強い味方です。Zohoのインターフェースはシンプル&ユーザーフレンドリーであり、カスタム可能な機能、ソーシャルメディアを扱う機能があります。独自のワークフローを作成するのも簡単です。リード管理もでき、会社全体の業務の実行や、他者アプリやFacebook、Twitter等ソーシャルメディアと統合できます。Zohoは、MacユーザーにとってベストなCRMであるとの声も多いです。
Zohoの無料バージョンにはもちろん、いくつかの制限があります。たとえば、追加できるユーザー数は最大3名です。 マスメーリング機能もありません。リード数を増やしてビジネスの拡大を目指したい人には、この点は不便かもしれません。
Salesflareは、優れたオートメーション機能が魅力の無料CRMソフトウェアです。Salesforceを使うと、データの収集とアレンジを自動で行うことができます。チームで使える可視的な販売計画を、ドラッグ&ドロップで素早く簡単に作成できます。Eメールとウェブサイトの追跡もでき、自動リマインダー、ダッシュボードのツールボックス機能もあります。メールテンプレートを作成してGmail経由で送信したり、チーム全体で使えるワークフローをセットアップすることもできます。
Salesforceのインターフェースは見やすく、簡単に使いこなすことができます。ただ、Salesforceはオンプレミス型の実装ができません。インターネット接続が不安定なチームにとって、この点は問題となるかもしれません。
プロジェクト管理、連絡先の閲覧、レポーティング、サポート/サービス、タイムライン機能などで、ストレスフリーな仕事環境を実現できるのがAgile CRMです。Agile CRMを使うと、チケットシステムによって顧客満足度を向上してサービスの質を高めることができます。テレフォニー機能を使いたい際には、TwilioやRingCentralと統合できます。
連絡先管理、プロジェクト管理、アポイントメントの設定、メールマーケティングもこなせます。ただ、無料バージョンのAgile CRM では最大10ユーザーまでしか追加できません。オンプレミス型の実装もできません。サポートは年中無休ではなく、1日24時間/週5日のみです。
Insightlyは、顧客関係の構築と改善に焦点を当てたい人におすすめのCRMです。リードやインタラクションを追跡するリードルーティングに加えて、Insightlyは他社アプリと統合できますので、堅牢なレポーティングシステムや顧客関係システムを構築できます。Insightlyはモバイルデバイスとの互換性も高く、通話、チケット、Eメール等による、ユーザーフレンドリーなカスタマーサポートも万全です。
ただ、Insightlyのサポートは英語のみで、他の言語での対応はありません。オンプレミスでの実装もできず、サポート対応は年中無休ではありません。
LACRMと呼ばれることもあるLess Annoyingは、小規模ビジネスにおすすめな無料CRMソフトウェアです。Less Annoyingを使うとタスク管理、リード獲得、連絡先管理、フォローアップ管理などの機能で販売を成功へと導くことができます。これらの機能はすべて無料で使えます。Less Annoyingには有料バージョンもあり、良心的な価格設定であると評判です。
ただ、統合に関しては少々難点があります。といいますのも、Less Annoyingは統合できるアプリの種類が少ないのです。結果として、機能が不十分であると感じる人もいるかもしれません。
パイプライン管理、リード管理、顧客管理、あらゆる管理をひとつのプラットフォームでこなせるシステム-それがBitrix24です。Bitrix24 CRMのデータベースを使うと、大衆の需要を理解したうえで、リードや顧客を無制限に扱うことができます。包括的なレポートやダッシュボードの作成と閲覧、プロセスの自動化によってプロジェクト管理の質がぐっと高まります。ドラッグ&ドロップで、プロ並みのフォームを作成できます。さらに、Bitrix24 CRMは300種類以上の他社アプリと統合できます。
Facebook、Viber、TelegramなどのソーシャルメディアアカウントとBitrix24を連携させると、マーケティングをさらに進化させることができます。Bitrix24 CRMと会社のEメールを連携させて、メールマーケティングを円滑化することもできます。テレフォニーやSMS等でアポイントメント、カレンダー、予約等を管理する作業も、すべてCRM内で行うことができます。
今回ご紹介いたしました製品の他にも、市場には数多のCRMが存在します。その中からたったひとつ、自分にぴったりの製品を見つけなくてはなりません。製品を選ぶうえでポイントとなるのは、複数の部門やチームのニーズに着目することです。皆の役に立つ総合的なCRMを導入することで、会社全体のチームワークが強まり、生産性が向上し、ビジネスを躍進させる原動力となるのです。